夏場にクルマのエアコンが効かなかったり、効きが悪いと車内で熱中症になったりとかなり危険です。
また、クルマのエアコンは燃費と密接に関わっているため、上手にエアコンを使用することで、燃費向上を図ることができます。
今回は、エアコンが効かない原因とその対策と修理について簡単に点検できるものから予測される故障事例と修理費用・エアコンの効率的な使い方まで徹底解説いたします。
本記事で分かること
- エアコンが効かない原因
- おおよその修理費用
エアコンが効かない原因
エアコンが効かない原因と修理代一覧表

エアコンが効かない時に先ずは試したいところ
エアコンが効かない時に簡単に点検できる箇所をまとめてみました。
確認する場所はクルマによって異なりますが、簡単に治る場合もあるため、先ずは以下の点をチェックしてみると良いでしょう。
A/Cスイッチの確認
エアコンの操作パネルにある【A/C】スイッチがオンになっているか確認しましょう。
オフになっている場合は送風のみになり、冷房側(クーラー)が一切出ません。
【A/C】スイッチにランプがある場合は点灯しているかも確認しましょう。
点滅している場合はエアコンのシステムに不具合が発生してる場合があります。

吹き出し口(ルーバー)の確認
各吹き出し口のシャッターが開いているか確認しましょう。冬の間に吹き出し口のシャッターを
閉めていて、そのままになっていることもよくあります。
外気導入・内気循環の確認
エアコンの効きが悪い場合は、外気導入・内気循環のスイッチ(レバー)が内気循環側になっているか確認しましょう。外気導入になっている場合は、新鮮な空気を取り込むことができるかわりに、外気の熱い空気を取り込み、冷やすため十分に冷やすことができず、エアコンの効きが悪くなる傾向にあります。
空気吸い込み口の確認
外気導入・内気循環のスイッチ(レバー)が内気循環側になっている場合は、車内助手席側足元にある
空気吸い込み口の確認をしましょう。内気循環の場合は、その位置から車内の空気をエアコンのユニットに吸い込むため、ティッシュペーパーや紙などが詰まっていないかチェックしてみましょう。
エアコンフィルターの確認
エアコンフィルターは約2万キロで交換時期になります。詰まっているとエアコンの風の通りが悪くなり、風量が下がってしまいます。クルマの説明書にエアコンフィルターの確認方法が記載されているため、説明書を参考に確認してみると良いでしょう。

クルマにある程度知識のある人がセルフチェックで確認できるポイント
先ほどより少し難易度は上がりますが、下記もすぐにチェックできるポイントなので
一度点検してみることをお勧めします。
コンデンサーの汚れ
コンデンサーが汚れていると、高温の冷媒ガスを十分に冷やせずエアコンの効きが悪くなります。
クルマの最前面に搭載されているため、虫や落葉などが入り込んでしまって、コンデンサーを塞いでいる場合もあります。
エバポレーターの汚れ
エバポレータが汚れやカビで空気の通り道を塞いでいる場合もあります。エバポレータはエアコンフィルターを外せば目視で確認できる場合もありますが、ほとんどのクルマで直接見えないためスマホのカメラや鏡などを使って詰まりがないか確認すると良いでしょう。汚れている場合はカーエアコン用のクリーナを各社販売しているため、それを使用してみるのをお勧めします。

ラジエターファンの確認
エアコンが作動しているときに、ラジエターファンが回っているか確認しましょう。
前述の通り、コンデンサーに十分な風を当てて高温の冷媒ガスを冷やせないと、エアコンの効きが悪くなるため、エアコンに連動してファンがしっかり回っているか確認してみると良いでしょう。
修理工場で確認
修理工場では、特殊な工具や機器を使用してエアコンが効かない原因を探りますが、点検の方法は修理工場によって違うため、一般的な点検箇所を解説します。
冷媒ガスが少ない・多い
冷媒ガスは多くても少なくてもエアコンは十分な能力を発揮することが出来ません。
冷媒ガスが少ない場合は、エアコンのシステムのどこかでガス漏れが発生しているため、ガス補充の他漏れ箇所の修理も必要になってきます。
エアコンコンプレッサーの故障
エアコンコンプレッサー本体が故障していると、修理代はかなり高額になります。
中古パーツやリビルト品という選択肢もあるため、予算に合わせて選択すると良いでしょう。
その他センサー、スイッチ類の故障
エアコンのシステムは様々なセンサーや、圧力スイッチ等で構成されているため、そのセンサー・スイッチが故障している場合もあります。症状に応じてクルマに専用の診断機を接続して、不具合箇所を探ります。
エアミックスサーボ関係の故障
エアコンユニット内のクーラーとヒーターを切り替える「エアミックスサーボ」が故障していると、
冷風と温風の切り替えができません。
一部のクルマでは、手動でレバーを操作し青(クーラー)・赤(ヒーター)の切り替えを行いますが、オートエアコンの場合、エアミックスサーボ関係の故障も考えられます。

エアコンがすぐに効くようにする裏技
自宅など場所は限られてしまいますが、素早く車内を冷やす裏ワザがあります。
①運転席から一番遠いドアを開ける
②運転席ドアノブを持ってドアを数回パタパタ開け閉めする
これである程度車内の熱気を外に逃がすことができます。
③エンジンを始動してエアコンを全開で作動させる。
④散水シャワーや霧吹きを使い、クルマ前方にあるコンデンサーに水をかける
前述の通り、エアコンの効きはコンデンサー内の冷媒ガスをいかに冷やすかにかかっています。
そこで、コンデンサーに直接水をかけることで、気化熱(人が熱い時に汗をかいて、体を冷やす原理)でコンデンサーが素早く冷え、車内のエアコンが早く効くようになります。特に南向きに駐車していたクルマに有効です。

おわりに
夏本番に近づいて、クルマのエアコンが効かないと、暑さで運転どころではなくなる上に、熱中症のリスクが高まってしまいます。
家で使用しているエアコンと同様に、夏本番になってからエアコンが効かない不具合が発生しても、
修理工場が混雑していたら、直ぐに対処することができず、大きなストレスになってしまいます。
快適なカーライフを過ごせるよう、早めの点検をお勧めいたします。